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訪日観光客は何が目的で日本へ?国別の人気があるコンテンツ

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訪日する外国からの観光客には必ず何らかの目的があります。それは国によって微妙に異なります。傾向を知っておけば、それに合わせたインバウンド対策を講じられます。2016年の観光庁調査による人気コンテンツを国別に見ていきましょう。

■全旅行者では、「日本食」が一番

全旅行者の中で最も人気が高いコンテンツは「日本食」で、2016年の調査でも96.4%が訪日の目的にしています。1970年代後半にアメリカで始まった日本食ブームは世界中に広がり、脂肪分が少なくてタンパク質が多いヘルシーなところは高く評価されています。

それでいて満足度が高い料理は意外にもラーメンで、次が焼肉やステーキなどの肉料理、日本食の象徴とも言える寿司は3位です。ただし国によってバラつきがあり、欧米は寿司の満足度が高く、韓国は肉料理、台湾はラーメン、そして中国は魚料理が1位です。

日本食以外ではショッピングの人気や繁華街の散策が人気で、次いで自然や景勝地の観光です。しかしながら全旅行者の半分以上が体験するのはこれくらいで、日本の歴史や文化に対する関心は2割程度とそれほど高くありません。

実際に体験した満足度は概ね高めですが、宿泊先については8割を下回っており、特に東南アジアの観光客は不満があるようです。この点は今後インバウンド需要を呼び込む上での課題となるでしょう。また次に訪日した時は温泉入浴や四季の体感など日本ならではの魅力に触れたい旅行者が多めでした。

■中国からの観光客の目的は「ショッピング」

数年前、爆買いブームでインバウンド好景気を牽引した中国からの観光客は、「日本食」に次いで「ショッピング」を訪日の目的にしています。その数は9割以上で欧米諸国が7割程度しかいないのとは対照的です。

それ以外は自然や景勝地の観光、温泉入浴、旅館への宿泊が大半を占めます。これは、まだ団体旅行での訪日が中心であり、定番のコースを周るのが影響していると考えられます。次に訪日する時の目的も上位は不動ですが、四季に感銘を受けて別の季節を体験したいという希望はあるようです。

購入する商品のジャンルとしては1位が化粧品類で2位が医薬品類、3位が菓子類です。中国からの観光客にドラッグストアの人気が高いのがうなずけます。一方、爆買いのイメージが強い家電製品やカメラなどの高額商品は需要が低下しており、中国の景気減速の影響を感じられます。

■アメリカからの観光客の目的は「日本文化に触れること」

アメリカからの観光客も主な目的は日本食、自然や景勝地の観光、ショッピングですが、中国と違って日本の文化に対する関心がずば抜けています。日本食や日本酒もその一環ですし、関心の範囲は歴史や伝統のある文化だけでなく日常生活にまで及びます。ポップカルチャーも人気です。

このように中国と大きく傾向が異なる背景には、旅行スタイルの違いがあります。中国からの観光客は団体旅行が約半数を占めますが、アメリカからの観光客は8割以上が個別に交通機関や宿泊先を手配しています。そのため好奇心の赴くまま行動できるのです。

満足度はすべてにおいて9割を超えています。次の訪日では歌舞伎などの舞台鑑賞や都市部を離れた農漁村での体験など、より日本を理解してこそ楽しめる文化へと関心が広がっているようです。

■まとめ

調査の結果を見る限り日本食は各国で高い人気を誇り、訪日の主な目的にもなっています。伝統的な和食はもちろん、ラーメンや肉・魚料理も関心を持たれています。こうした飲食店こそインバウンド対策に力を入れれば大きな効果を得られるでしょう。

特に現状では多くの飲食店で、海外からの観光客が「言語の壁」を感じています。せめてメニューだけでも多言語に対応していれば違うはずです。インバウンドのプロモーションを得意とする「アレンジ」では、飲食店向けにメニューを多言語に翻訳するサービスを提供しています。価格も1万円からとお手頃です。

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