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インバウンド集客を考えるとき、外せない訪日中国人データまとめ

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ここ数年のインバウンド好景気は訪日中国人の爆買いに支えられてきました。今後のインバウンド集客を考える上でも訪日中国人の存在は無視できません。直近3年のデータを確認しながら爆買いの火付け役となるKOLについて紹介します。

■訪日中国人データ

日本政府観光局(JINTO)、および観光庁の調査による直近3年の訪日中国人の推移は以下のとおりです。

 

 

2014年

2015年

2016年

訪日中国人総数

2,409,158人

4,993,689人

6,373,564人

平均滞在日数

5.9泊

5.9泊

6.1泊

1人あたりの平均消費額

229,206円

277,972円

228,374円

 

こうして見ると訪日中国人の数自体は増えているものの、滞在日数はほぼ6泊と横ばいで、平均消費額に至ってはピーク前の2014年よりも減少しています。また消費内容もベスト3は菓子類・化粧品類・医薬品類で固定されていますが、家電やカメラ・時計、和服のように値が張るものは景気の影響で減少しつつあります。

 

一方、娯楽サービスにかける費用は2015年と2016年でほとんど変化しておらず、ほぼ4割の訪日中国人がお金をかけています。特に美術館や博物館などの文教施設に対する関心が高いようです。

 

■爆買いの火付け役となるのはKOL

 

訪日中国人が爆買いや観光をする上で火付け役となるのが「KOL(Key opinion Leader)」です。インターネット上で強い発信力や影響力を持つ人物やアカウントを指します。日本で言えば「インフルエンサー」のような存在です。

 

中国でもブログやSNSが盛んで、特にTwitterに似たSNS「Weibo(微博)」や、LINEに似たメッセージアプリ「We Chat(微信)」が大人気です。KOLのアカウントには多くのフォロワーがついており、使用した商品の感想や旅行の体験を掲載すると、瞬く間にブームとなります。近年では日本と同様、企業から報酬を得て情報を発信するKOLも増えています。

 

KOLが大きな影響力を持つ背景には、中国の情報や広告に対する規制があります。日本と違って自由に海外からの情報が入るわけではなく、広告の手段も限られています。そのためKOLを通してアピールする方が最も無難で、かつ効果も大きいのです。もちろん訪日中国人も来日経験があるKOLの発信を大いに参考しています。

 

人気のKOLになるには、1つでも得意なジャンルがあってキャラクターが明確でなければいけません。かつフォロワーの問い合わせにも逐一対応できるマメさも必要です。それでも広告色が露骨に出たり、キャラクターがぶれたりすると、あっという間にそっぽを向かれてしまいます。その点は日本の「You Tuber(ユーチューバー)」にも通ずるものがあります。

 

■KOL施策ならアレンジ

 

たとえKOLに発信力があっても、日本の企業や自治体が個別にアプローチするのはリスクがあります。KOLにも得意不得意があり、ミスマッチが生じると効果を得られないどころか悪い印象を与える恐れがあるからです。それを防ぐため過去のログすべてに目を通すのも日本人には一苦労です。

 

最近ではこうした中国のSNSに精通しており、発信力のあるKOLとの橋渡し役を務めてくれる企業が増えています。「アレンジ」もその1つです。海外向けSNSの運用代行や、KOLとタイアップした海外向けインターネット広告の展開など、インバウンドに関するあらゆる課題の解決に一役買っています。

 

KOL施策の一例として、有名デパート「大丸松坂屋」とWe Chatの人気キャラクター「エリス」がコラボしました。来店して複数の階をめぐるとWe Chatで使用可能なスタンプをすべてダウンロードできるサービスです。これにより訪日中国人の来店や各階への周遊効果、We Chatの大丸松坂屋公式アカウントのフォロワー数増加に貢献しました。

 

■まとめ

 

訪日中国人の数は引き続き増加する傾向にありますが、従来のように爆買いするのは減少しており、引き続き購買意欲を高めるためには何らかの動機付けが必要です。そのために中国のインターネット上で絶大な影響力を誇るKOLの存在は無視できません。近年ではこうしたインターネットの広告活動をサポートしてくれる企業も増えています。上手に活用すれば大きな経済効果が期待できるでしょう。

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