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国別訪日外国人に関するデータ

 

訪日外国人がどこから来ているのか、国別に傾向が分かるとインバウンド対策を立てやすくなります。この3年間のランキングや、特に目覚ましい伸びを見せている中国のデータから訪日の特徴や目的、今後の需要や展望を探ってみましょう。

 日本に来る訪日外国人の国別ランキング

 まず日本政府観光局(JNTO)が公表している国別訪日外客数のランキング上位5ヶ国は以下のとおりです。

 

2014年

2015年

2016年

1位

台湾

中国

中国

2位

韓国

韓国

韓国

3位

中国

台湾

台湾

4位

香港

香港

香港

5位

アメリカ

アメリカ

アメリカ


4位までをアジア圏が占めています。やはり日本まで飛行機で2~3時間程度で行ける近さが魅力です。欧米諸国では以前から交流があるアメリカ、オセアニアではウインタースポーツの需要が高いオーストラリア(7位)からの訪日外国人が多いようです。

2013年までは長らく韓国が1位でしたが、2015年以降は中国に100万人ほどの差をつけられています。中国の前年比は2014年で83.3%、2015年が107.3%、2016年は27.6%です。ただし2017年は10月の時点で12.9%にとどまっており増加に歯止めがかかりつつあります。

中国がここまで訪日外国人を伸ばせたのは2009年以降から観光ビザの発給要件が徐々に緩和されたからです。2015年には好景気も手伝って爆買いブームを巻き起こしました。一方で2016年4月に中国政府が急遽、海外で購入した商品に最大60%の関税を課すようになったことから買物目的の訪日観光客は減少しています。さらに2017年10月からは団体旅行が制限されているため、今後は個人の旅行にシフトするかもしれません。 

一方、前年比の伸び率は以下のとおりです。

 

2014年

2015年

2016年

1位

中国

中国

イスラエル

2位

フィリピン

香港

ポーランド

3位

ベトナム

ベトナム

インドネシア

4位

タイ

フィリピン

フィリピン

5位

マレーシア

韓国

マレーシア

 

3年間すべてにランクインしているフィリピンは訪日外客数の10位まで上昇しました。2015年まではアジア圏ばかりでしたが、2016年は中東のイスラエルと東ヨーロッパのポーランドが伸びています。公表されているのは一部に過ぎないものの、2017年は10月の時点でロシアが40.2%と1位です。近年のインバウンドは「ムスリム」が重視されてきましたが、今後は訪日新興国への対策も必要になるでしょう。

中国からの訪日外国人に関するデータ

関税の引き上げによって爆買いブームは落ち着いたものの、中国からは年間600万人が訪日しています。相変わらず買物は目的の一つですが、観光庁が2017年7月から9月まで調べた結果では日本食への関心が上回っています。特に魚料理が好評のようです。他には観光地や繁華街の訪問、旅館や温泉、テーマパークなどが上位にランクされています。

 

平均的な滞在期間は1~2週間が最も多く、次いで4~6日間と比較的長めです。訪問先は都心部と関西、両方を結ぶ東海地方や甲信地方が中心で、いわゆる「ゴールデンルート」を周っているのが分かります。北海道や沖縄まで足を延ばす場合もありますが、それ以外の地方まで目を向けているのはまだまだ少数です。

中国の訪日外国人が日本国内で消費する額は同じく観光庁の2017年7月~9月の調査で238,385円でした。国別に見るとベトナムに次いで2位です。細分化すると舞台鑑賞やスポーツ観戦などの娯楽、宿泊費にお金を費やすようになっています。

日本に対する満足度は概ね高く、また来たいと答えた人が95%以上にもなり、リピーターも徐々に増えています。その理由としては先入観を上回る良さを感じられ、日本を好きになって帰国するからです。個人のブログやSNSを通してその評判が広がり、さらなる訪日につながっています。

まとめ

こうして国別の訪日外国人のデータを見ると、訪日外客数のランキングは固定されている一方で新興国が伸びているのが分かります。現在のインバウンド対策が通用しなくなる可能性もあるので、常にアンテナを張っておきたいものです。特に中国の動向は今後も目が離せないでしょう。