政府では、訪日外国人旅行者を増やして日本の魅力を知ってもらおうと、観光庁を中心にインバウンド政策を実施しています。実際にどのような取り組みが行われているのでしょうか。今後の日本の観光にも関わってくるインバウンド事業と政策の一部を確認してみましょう。
・観光庁は訪日外国人旅行者4,000万人を目標に掲げている
・3つの視点と10の改革がインバウンド政策の要
・中立的な立場でビジット・ジャパンの事業も展開されている
これからの日本の観光業を考える上で、インバウンド政策は重要な任務を担っています。
2020年、東京オリンピックの年の目標は4,000万人。
目標を超えられるかどうかが、今後の日本の観光業の1つの節目です。
観光庁の目標は4,000万人!日本のインバウンド政策
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2020年にスポーツの祭典、東京オリンピックが予定されています。
観光庁が、そんな東京オリンピックに合わせて目標としているのが、2020年の訪日外国人旅行者4,000万人です。
なお、国土交通省の調べによるとビジット・ジャパン事業がはじまった2003年時点での訪日外国人旅行者は521万人、2013年には1036万人に増加し、1,000万人超を達成しました。
2015年には訪日外国人旅行者の人数が一気に増加して約1,974万人へ。
2013年と比べて倍近い増加を考えると、2020年に4,000万人の訪日外国人突破は決して夢物語ではないと言えます。
観光のためのインバウンド政策で変化を
外国人観光客を取り込むために観光庁が進めているのが、2つの視点と10の改革です。
地方創生、国際社会との競争、おもてなしという2つの側面から、観光事業が見直されて、2020年という節目に向けて改革が行われています。
【2つの視点】
・観光資源の魅力を極め、地方創生の礎に
・観光産業を確信し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業に
【10の改革】
1.公共施設
2.文化財
3.国立公園
4.景観
5.観光産業
6.市場開拓
7.観光地経営
8.滞在観光
9.地方交流
10.休暇
迎賓館などの公的施設の通年の一般公開、文化財拠点の整備と言語解説の整備、観光地再生と規制緩和などが事業の一部です。
インバウンド政策の1つビジット・ジャパン事業
訪日外国人旅行者のプロモーション計画は、中立的な立場を有する日本政府観光局(JNTO)でも、「ビジット・ジャパン事業」として取り組まれています。
ビジット・ジャパンが注力しているのは、韓国、台湾、中国、シンガポール、フィリピンなどアジアの主要市場と、ロシア、ドイツ、フランス、アメリカなどの欧米でも主要の国々。各国市場のニーズや最近の動きを分析し、タイムリーにニーズに対応していくことで、観光に役立てています。
まず、主要国で行われているのが、日本の伝統や文化を紹介するプロモーション活動と招致活動です。
たとえば各国の目標旅行者数を達成するために、主なターゲット層を決め、リピーターを増やすという活動。
2013年の韓国をターゲットとしたプロモーションでは、40~50代の夫婦向けの温泉や祭りのPR活動、20~30代独身女性向けには、大都市から日帰りや1泊可能な地方のPR活動が行われました。
活動は消費者だけに限らず、旅行会社向けのセミナー、招致など現地の旅行会社向けにも展開されています。
インバウンド政策の成功を担う官民・地方との連携
インバウンド政策で、より多くの訪日外国人旅行者を集めるには、国と民間、そして都市と地方との連携が欠かせません。
たとえば2017年の官民事業では、日本各地をツーリングで巡って海外に情報を発信する事業、日本だからできる特別な体験をコンテンツ化して発信していく事業の具体的な事業化を図っています。
なお、官民事業は公募によって決定したアイディア。
海外ネットワークを持つ、グローバル企業との連携で日本の魅力を発信することが目標です。
さらに、総費用の半分を国が負担する形で、地方連携事業も展開されています。
都市部だけでなく地方の魅力を海外に発信するチャンスです。
今後も官民・地方との連携した取り組みが訪日外国人旅行者獲得の礎となることが期待されます。
<まとめ>
・2020年までの目標は4,000万人の訪日外国人旅行者
・3つの視点と10の改革による観光整備
・ビジット・ジャパン事業による海外へのPRが実施されている
グローバル社会な現代だからこそ、観光業を伸ばすことは国の経済や地域の発展にも繋がります。
2020年までの目標は4,000万人。
インバウンド政策の1つの節目として目標を超えられるかどうか、超えられるような事業が展開されるかどうかに注目したいです。