インバウンド(訪日外国人)のプロモーションなら株式会社アレンジ

インバウンドの市場規模を知る

今やインバウンド政策は民間企業や自治体にとってひとつの課題ですが、実際にどれくらいの効果を見込めるのかわからないとモチベーションが上がらないでしょう。そこでインバウンドの市場規模と今後の見込みについて紹介します。

インバウンドの市場規模は

訪日外国人の増加に伴い、インバウンドの市場規模は年々拡大する傾向にあります。JNTO(日本政府観光局)の調べで2016年の訪日外国人の数は約2,404万人でしたが、2017年は10月の時点で約2,379万人です。過去最高といわれた前年を更新するのは間違いないでしょう。中国を筆頭に韓国、台湾、香港、アメリカと続きタイを含めた6か国からの訪日外国人はいずれも10万人を超えています。

訪日外国人が増加した理由としては、直近だとロシアでビザを発行する要件が緩和されたり、東アジアで連休が続いたりしたことが考えられます。各国でおこなわれた日本に観光客を誘致するプロモーションも功を奏しているようです。

長期的な視点で見るとリピーターの増加が挙げられます。アジア圏を中心に2回目以降の訪日外国人が初回を上回り、中国でもその数を伸ばしています。旅行後、日本に再訪したいと考えている観光客は、どこの国でも9割近くを占めるので、今後リピーターはますます増えると予測されるでしょう。

これに伴い、訪日外国人の関心も買い物から観光・体験へと移っています。2015年に爆買いで注目を集めた中国でさえ、最近はコンビニやドラッグストア、スーパーマーケットで買い物を済ませるようになっており、高額商品に手を伸ばすのは稀です。

すでにドイツなどヨーロッパ諸国を中心にホテルや旅館、娯楽など買い物以外にお金をかけたり、リピーターになるほど地方の観光地へ足を延ばしたりする傾向が見られます。インバウンド政策も物を売るよりサービスを提供する方向へ転換しつつあるといえるでしょう。

インバウンドの政策について

日本では国を挙げて2020年の訪日外国人を4,000万人まで増やそうとしています。2020年といえば東京オリンピックが開催される年です。現在のところ観光庁が中心となってインバウンドの政策を打ち出したり、補助金を交付したりするなど目標の実現に向けて働きかけています。

ここ数年のように前年比120%のペースで伸びていけば実現できない数字ではありませんが、国際情勢や為替の動向次第では届かない可能性も十分にあります。また訪日外国人の受け入れ態勢が現状のままであれば、やはり伸びは穏やかになって目標を下回るかもしれません。それだけ問題は山積しています。

たとえばムスリムのハラール食や礼拝(サラート)、多言語化、公衆無線LANの整備、宿泊先不足の解消、地方創生などです。このうちインフラ整備は国や自治体が先頭に立って進めれば早いうちに解消できますが、訪日外国人の受け入れについては民間に頼らなければいけない部分が結構あります。

とくに地方は都心部に比べて普段から外国人と接する機会が少なく、もてなし方がわからなかったり、そもそも受け入れに消極的だったりします。まずは親日家が多くて旅慣れしている台湾人を誘致するなどして慣れてくれれば、よりインバウンド政策に積極的なってくれるでしょう。

さらに地域の旅行会社が海外の旅行会社の窓口になって、訪日外国人が地元のホテルやレストラン、交通会社を利用できるようにすると、効率よくインバウンド政策の恩恵を受けられるはずです。

まとめ

インバウンドの市場規模の拡大に伴い、訪日外国人のリピーターが増え、目的も買い物から観光・体験へとシフトしつつあります。今後も同じペースで拡大を見込むのであれば、受け入れ態勢を整え、魅力的な観光地を多くすることが急がれます。そうすれば国の「2020年に訪日外国人を4,000万人まで増やす」という目標も達成できるでしょう。