決済サービスを手がける「ビリングシステム」(東京)は、中国のデビットカード「銀聯(ぎんれん)カード」について、スマホアプリを用いた決済システムの提供を始めました。
訪日中国人旅行客による銀聯の利用は多いが、これまで日本ではモバイル決済に対応しておらず、初の試みです。
昨年2015年から中国の爆買い、インバウンド需要に相次ぎ、観光地でよく見かけるようになった銀聯カード
日本人にはあまり馴染みの無いカード。
一体どのようなカードなのでしょうか?
銀聯カードとは!?
銀聯カードとは国内外の400近くの組織が加盟しているクレジットカード及びデビットカード(キャッシュカード)の名称です。
銀聯カードは本来デビッドカードを指す言葉でしたが近年はクレジットカードを搭載したカードも多く発行され、中国国内でもクレジット・デビットと両方を指して使う事があり比較的裕福な層がクレジット。貧困層はデビットと、金銭的な面で価値観が異なるカードで、利用者の大半がデビットカードです。
また、銀聯キャッシュカードを用いた国外での現金引き出しには上限額の制限があります。
発行枚数はデビットカードのみで驚きの45億枚。
クレジットカードが5億枚です。
中国人口が約13億人ですがそれにしても異常な普及率ですね。
どれほど凄まじいか簡単に説明すると日本人のVISA、MasterCard、JCB、その他、全てのクレジットカードの総数の一人当たりの割合と銀聯カードのみの一人あたりの発行枚数の割合がほぼ同じです。
なぜそこまで普及したのか
銀聯カードが爆発的に普及した大きな要因は三つあります。
①中国政府の後押し
銀聯カードの「銀聯」とは2002年に中国政府主導で、中国の中央銀行である中国人民銀行(中国銀行ではありません)が中心となる形で設立された金融機関の連合(本部は上海)、銀行間の決済ネットワークです。
中国政府がサポートしている為、圧倒的な信用力で瞬く間に利用者が増えていきました。
しかし今年から中国政府は外貨流出を懸念し銀聯カードに年190万円までの上限を定めました。
②高額紙幣が無い
中国での最高紙幣は100元(約1700円)です。
銀聯カードでの支払いが主流になるまでは例えば10万円の買い物をするときには50枚以上の紙幣を持ち歩かなければなりませんでした。
盗難の恐れやレジ決済の遅延化。
様々な問題を銀聯カードは解決しました。
③デビットカードは無審査
今でこそ中国バブルで儲かってそうに見えますが、まだまだ貧困層が圧倒的に多い中国
そんな中国人の大半はVISA,MasterCard,JCBなどのクレジットカードは審査に通らず持て無いのです。
しかし銀聯カードはデビットカードなので審査無しで持つことができます。
こうやって見ると流行るべくして流行ったようなカードですね。
こうして国内90%!世界発行枚数50%のシェア率を誇る世界的ブランドになっていきました。
中国国内で銀聯カードを使え無い店は無いほど圧倒的なシェアを持ちます。
日本でも三井住友銀行などが発行しているので中国などによく出張や旅行に行く方は検討してみてはどうでしょうか。