ご存じの通り、WeChatはただのSNSではない。ただの配信ツールでもない。ただのウェブサービスでもない。え?知らない?そんな貴方に5分で分かるWeChatの動画を用意した。見てみてくれ。
見てもらえば分かる通り、WeChatは中国だけではない巨大なプラットフォームだ。
母体のテンセントの時価総額は20兆を超えており、WeChatの月間アクティブユーザーは8億を超えている。それに加えて決済機能を有しているWeChat Paymentのユーザーも数億あるという恐ろしいプラットフォームだ。直近ではMini Programも発表し、AppleとGoogleのプラットフォームを介さない事をマネタイズ方法も考えている。壮大に失敗してはいるが..
さて、そんなWeChatだが各公式アカウントはフォロワーを増やす、売上を増やすといった様々な理由で(最終的にはマネタイズ)キャンペーンを行うケースが多い。面白いキャンペーンが多々行われているので、最新事例を紹介したい。
1.Fenda
①Q&Aプラットフォーム
FendaはQ&Aの公式プラットフォームだ。Yahoo!知恵袋に近いかもしれない。大きな違いは回答することでお金がもらえる事だ。自分の得意分野(例えば中国のネット事情)を答えることによってお金が発生する。ファンドからの資金調達も完了したこの公式アカウント。バリエーションはなんと約100億円というから驚きだ。さすが中国。バブルだぜ。
②キャンペーン中は60秒で回答
キャンペーンは有名人、専門家、投資家によって広められどんな質問も60秒以内に回答されるというキャンペーンだ。(普段はさすがにもっと遅い)ちなみに最近中国ではチャットカスタマーサービスが導入されていることもあり、カスタマーサービスの回答スピードは飛躍的に改善されている。日本より便利だったりする事が多々ある。それはまた違う時に紹介しようと思う。
③回答するだけでお金が儲かる仕組み
Wang Sicong(王思聰)、中国最大の富豪と言われる Wang Jianlin(王健林、Wanda Group=万達集団会長)氏の息子もこのキャンペーンに参加していた。彼に投げかけられた質問は32個。これを回答することによって得た金額は26万元(約400万円)!
「アジア一の金持ちの息子として買えない物がありますか?」
2.WeChat
テンセントもWeChatを活性化させるためにキャンペーンを行う事がある。ユーザーはWeChat上でのデータが素晴らしいUIによって見る事ができ、なおかつMomentsに拡散が出来る仕組みになっている。主なデータとしては、
・ユーザーの初めての友達
・WeChat上で行った電子送金の数
・どこの都市や場所に一番行ったか
このキャンペーンはUIを見れば分かる通り、中国人をくすぐる仕組みになっており、さらに痛快なのはテンセントがオフィシャルにアナウンスする前に情報がリークされ、オフィシャルアナウンスの前に広がってしまったところだ。ユーザーはカスタマイズされたデータが素晴らしいUIに乗っかっている事が大好きだ。データを愛してる。友達に自慢することも大好き。キャンペーンを行う上で友達に自慢したくなるキャンペーンは最重要項目だ。
3.BUICK
日本ではなじみが少ないが、ビュイックはアメリカの自動車メーカーだ。GMが製造・販売するブランドの一つで中国ではけっこう普通に見る。筆者は日本車に乗っていたが、ビュイックに乗っているユーザーはかなり多い。そんなビュイックが仕掛けたキャンペーンがこちらだ。
キャンペーンに入ると所謂「脱出ゲーム」が展開。秘密エージェントがギャングに捕まり(よくある設定)様々な手を使い脱出するゲームだ。
デザインも綺麗、かつ、UIも洗練されている。ここで重要なのがビュイックの車がキャンペーン中に大活躍することだ。最終的にヘリコプターで脱出するんだけど、まあそこはあんまり気にしないでくれ。
うまく脱出できるとこうだ。
「ビュイックの車を試乗してみないかい?」
■まとめ
うまくいくキャンペーンもあるし、うまくいかないのもある。ただ、うまくいくものは基本的に下記要素を満たしているように思える。
▼うまくいく理由
1.デザインが綺麗
2.商品とキャンペーンの相性がいい(商品情報がキャンペーン内に内蔵されているような設計)
3.キャンペーン自体がオリジナル(模倣していない)
4.導線が綺麗
逆にうまくいかないものはこんな感じ。
▼うまくいかない理由
1.そもそもわかりにくい
2.長い
3.ぱくり
4.ユーザーのメリットがあんまりない
5.自慢できない
あくまで独断と偏見なので、上記を満たしておらず成功した失敗したキャンペーンはきっといっぱいあるだろう。あくまで一般的な見解を独断と偏見で紹介している。
(独断と偏見の時点で一般的じゃないとかいうツッコミはいらない)これからも中国の最新事情を紹介したいと思う。