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中国発のアプリWeChat(微信)とは?9億人が使うアプリを徹底解剖

昨年より訪日外国人観光客が続々と増え続け、インバウンド市場がますます盛り上がっています。2015年の流行語大賞には「爆買い」が選ばれるなど、中国人観光客の存在感は増すばかりです。実際、日本に訪れる外国人観光客の主な割合としてはアジア圏の観光客で82%、中国だけでおよそ全体の30%近くを占めています。国別の平均消費額順に見ても中国は1位となっており、インバウウンドマーケティングを考える上で中国は欠かせない国となっています。

そんな中国からの旅行者の多くの人が利用する「WeChat(微信)」というアプリをあなたはご存知でしょうか?そして、中国人誘致の為にWeChatを活用したインバウンド施策などを行う企業が増えてきています。今回は中国最大のSNS「WeChat」について詳しくご紹介していきます

■MAU(月間利用者数)約9億人!LINEとどこが違うの?

 

WeChatの運営会社は中国の大手インターネット会社「Tencent(テンセント)」です。Tencentの時価総額は約23.5兆円(テンセント2016年四半期決算資料)世界時価総額ランキングでは18番目に価値が高い会社と認識されています。(2016年8月)

よく比較対象にされるLINEの月間利用者数はグローバルで約2億1,500万人です(2015年10-12月期)


LINEとは異なるWeChatの独自機能を見ていきましょう!

①ステッカー(スタンプ)が無料

WeChatのスタンプはLINEと違い殆どが無料(一部有料)でダウンロードできます。動くスタンプや音声スタンプも殆どが無料です!

 

 

 

 

こちらのスタンプは「エリス」というWeChat上で3億回以上ダウンロードされた中国で大人気のスタンプです。中国市場の巨大さがスタンプのダウンロード数からも感じていただけるかと思います。もちろんエリスも無料でダウンロードできるので是非探してみてはどうでしょう。

②ボイスメッセージ(ボイスチャット)文化が発達

 


多くの中国人ユーザーが音声ベースでコミュニケーションを取っています。そのためWeChatではボイスメッセージボタンがLINEと比べ押しやすい場所に設置されています。

③QRコード文化が発達

 


中国では日常的にQRコードと触れる機会が多く、小売店などでは「QRコードをWeChatでスキャンして公式アカウントを友達登録すれば割引クーポン配布」などのキャンペーンなども活発に行われています。そのような背景もありWeChatのQRスキャナーはLINEに比べ、読み込み速度が格段に速いです。LINEとWeChatで比べてると一目瞭然です!

④決済機能が生活に浸透している

中国では財布の代わりとしてWeChatが生活に浸透しています。水道、光熱費などの公共料金の支払いから、飲食店での支払いなど、様々な支払いにおいてWeChatが使用されています。

これらの決済機能は「WeChat Payment」と呼ばれる機能です。日本でもインバウンド市場の盛り上がりとともにWeChat Payment対応店舗が続々と増えてきています。このマークが表示されている店舗ではWeChatでの支払いに対応しています。

日本では百貨店や大規模ディスカウントストア、ショッピングセンターやドラッグストアをはじめ、すでに500店舗以上で中国人旅行者の買い物手段として対応しています。

WeChat Paymentを使用するにはWeChatの「ウォレット」と呼ばれるページに入る必要がありますが、日本のWeChatではウォレットページが表示されないので注意してください。

⑤WeChatPaymentを大ヒットさせたお年玉が送れる機能!?

WeChatには「紅包」という機能があります。これは友人にお年玉を送る機能です。友人に金額を指定して送金やグループチャットで限度額を決めてランダムに送ったりという使い方も可能です。

こちらはグループチャットでの事例です。
以下のように会話の中で「紅包」が送られてきます。

オープン(黄色いボタン)をタップするとランダムに金額が決まりお年玉がもらえる仕組みとなっています。

中国ではお正月に「社長から社員」や「年長者から年下の人」など少額の紅包と呼ばれるお年玉のようなものを送る風習があり、その期間中はWeChatのこの機能が多く使われるそうです。この機能は先ほど紹介したWeChatPaymentを活用した応用編です。中国独自の文化「紅包」にWeChatPaymentを上手く組み合わせ、「紅包」を機にWeChatPaymentの登録者数を爆発的に増やしたそうです。現在WeChatPaymentは一ヶ月に利用するユーザーが4億人を超え中国での代表的な決済システムとして浸透しています。

⑥自動翻訳機能


WeChatの設定言語以外のメッセージは長押しすることで自動翻訳することが可能です。自動翻訳のため翻訳精度はそこまで高くないですが、おおよそ何を伝えたいかなどは分かるので海外の友達とコミュニケーションをとる際、非常に便利な機能です。

⑦企業の公式ページやオリジナルイベントページが作れる!

WeChatのビジネスアカウントを保有している企業などは独自のオリジナルページを作成・編集することが可能なため「シェア機能を使用したバイラルキャンペーン」や「認知度上昇のためのブランディングキャンペーン」「ECページを活用した越境EC」など様々なビジネスシーンで利用可能なため全世界から注目されています。しかしながらWeChatのビジネスアカウント(公式アカウント)は中国に法人登記がないと作成することが難しいことや、運用には中国語が必要になる為、日本企業がWeChat上に展開する場合は運用代行会社に頼むのが一般的です。

例えば、企業が面白いゲームを作成し公式アカウントのページから公開します。リンクをタップしたユーザーはそのままWeChat上でゲームが展開され、遊ぶことができます。高得点が出たり、拡散したくなる情報などが表示されるのでそのまま、WeChat上にシェアするのがバイラルキャンペーンの一連の流れです。それではWeChatで実際に行われた様々な事例を紹介していきたいと思います。

【事例1】

日本で一番WeChatを使いこなしている大丸松坂屋のインバウンドプロモーション
http://www.arange.co.jp/news_inbound_wechat_results_how_to_daimaru_matsuzakaya_20160714/

こちらはWeChat、スタンプ、ビーコンを利用した集客プロモーション

【事例2】

WeChat(微信)のカメラゲームを利用したプロモーション実績
http://www.arange.co.jp/news_inbound_wechat_results_how_to_meilin_20160704/

こちらは「Mei Lin」という薬品メーカーが行った、自撮りした画像とバットマンの画像を掛け合わせるカメラゲームプロモーションです。このプロモーションでは正確な数値は不明ですが、大きな反響があったそうです。

 

【事例3】

レッドブルが受験生の為のWeChatプロモーションを実施!スマートフォンを45分放置でクーポンプレゼント!?
http://www.arange.co.jp/news_inbound_wechat_results_how_to_redbull_20160830/

こちらはレッドブルが行ったブランディングキャンペーン!スマホを45分放置すればクーポンがもらえる面白いキャンペーンです!さらにモーメント(LINEのタイムライン)でシェアすることでもクーポンがもらえます。

■まとめ

いかがだったでしょうか?WeChatについて少しでも理解していただけたなら幸いです。アレンジではWeChatの運用代行や、上記で紹介した各種キャンペーン・インバウンド集客などのお手伝いをさせていただいております。WeChatについて気になる点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

参照:
http://www.arange.co.jp/inbound_map/
http://www.nytimes.com/
http://www.cosmeticsdesign-asia.com/Market-Trends/WeChat-is-re-inventing-China-s-direct-sales-model-says-expert
http://guardianlv.com/2014/03/wechat-censored-in-china/