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WeChat Paymentとは?初心者向けガイド

WeChat PaymentやAlipayといった中国人オリジナル決済システムが中国国内だけでなく、海外でも多く取り入られている。
実際に日本国内の様々な場所で使用可能になってきてはいるし、海外出張時も普通に中国人は使用していたりと、インバウンド対策を行う上では欠かせない状態になりつつある。

ただの決済システムでしょ?と言われればまさにその通りなんだが、やれる内容が実は幅広いので下記に紹介したいと思う。

■WeChat Paymentとは?

wallet

上記に記載がある通り、オンラインでの決済機能の一つである。
中国最大のSNS:WeChatに付随している決済機能であり、やれる事は無数にある。

▼WeChat Payment How-to
1.お金を友達に送金
2.ECサイトでの決済
3.プレペイド携帯のトップアップ
4.ファンドへの投資(資産運用)
5.ガス・水道・電気料金の支払い
6.タクシー支払い
7.電車、バス、飛行機の支払い
8.ホテル支払い
9.映画チケットの購入

というようにリスト自体はほぼ無限に展開可能だ。
企業側で使用料として大体コミッションが3%発生するが、何故にこの機能を使うのか?
ユーザー視点からすると当たり前だが、使用料は無料だ。
さらに利便性は非常に高い。

銀行口座と紐付いているので、極論何でも買えてしまう
(実際は金額の規制があり、ある程度の上限はあるが)
企業側からすると、3%のコミッションが一般的にテンセント側から徴収されるが、
WeChat Paymentを導入する事でユーザーの利便性が上がるので、
売上も増える可能性が高い事が特徴だ。

さらに、WeChat側のシステムを少しいじらないといけないが、WeChat Paymentで支払いをした場合は自社のアカウントに自動的にフォローさせるといったことも可能になる。前回の記事でも記述している通り、フォロワー(ファン)が多いアカウントはアカウントとして売る事もできるし、多角的な展開が見込めるので、フォロワーを増やすのにどの企業も投資をしている状態だ。

■WeChat Paymentの申込方法

日本の場合は少し特殊となっており、テンセントジャパンと直接交渉をするというより、彼らと販売権契約を結んでいるベンダーと取引をするのが主だ。いわゆる代理店に近い。大手で言うと、圧倒的にネットスターズとなっており、後はFJ Solutionと他小さい所が何社かあるような状況だ。

■WeChat Paymentの状況

素晴らしいサービスを展開しているWeChatだが、市場環境で言うと圧倒的にAlipayがシェアをとっている。このシェア自体も徐々にWeChatに取られており、彼らの戦略は非常に狡猾、かつ、大胆だ。以下にいくつか紹介しよう。

1.WeChat City Services

この新しいサービスは2016年の初旬に発表されたサービス。

・病院の予約
・交通渋滞情報のアクセス
・公共料金の支払い
・交通機関の予約
・PM2.5の汚染具合(中国人もけっこう気にしてる)
・交通違反の違反切符支払い
・警察へ事件の報告
・etc…他諸々できるサービスだ。

2016年に追加された新サービス

もちろん、全てのサービスにWeChat Paymentを使う導線にはなっていないが、持たない理由がなくなる仕掛けはいくつもある。

2.Tmall – Taobao – Alipayのブロック

ここからは中国特有というか、日本では信じられない事なのだが、WeChat経由でのTmall、Taobao、Alipayサイトへのアクセスをブロックした。さすが、中国。やることのスケールがでかい。多分中国人も不便になったなーとは思っているが、そんな一部の声は無視するのも中国だ。

アクセスはブロックされている

3.紅包(ホンバオ)お年玉プロモーション

中国の新年は旧正月といって1月の後半ぐらいが日本の正月にあたる。毎年微妙に日程が変わるが、今年は1月28日みたいだ。日本と同じくお年玉制度が中国には根強くあり、筆者も社員に真っ赤な包み紙にお金を詰めて渡したことがある。というか、毎年やってた。2015年の中国ではこの紅包(ホンバオ)プロモーションが当たりに当たり、新たに2億人がWeChat Paymentを使用し、その日だけで配られたお金は約100億円を記録するなど、スケールがでかい。

お年玉プロモーションは100億円

■好例のおさらい

1.オンライン決済は基本的に一つに集約する

サービス自体はある程度あるとは思うが、ユーザー側が使うサービスは1つに集約するはず。

2.Alipayは今のスケールを生かさないとやられる

オンラインでの導線はTaobaoとTmallしかない。WeChatは無数にある。

3.新たなプレーヤー出現

中国銀聯(Union Pay)も新たにオンライン決済に参画。忙しくなるな、こりゃ。

以上、今後も中国のインターネット市場を様々な切り口からお伝えする。