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冬はスキーで賑わうインバウンド

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最近インバウンドで注目を集めているのが冬の「スキー」です。日本のスキー、スノーボードの需要は衰退傾向にある中、訪日外国人の集客に成功して息を吹き返しているスキー場もあります。どのような取り組みをしているのか、詳しく見てみましょう。

インバウンドに魅力的なスキーツアー

インバウンドのスキー人気が高まる中で、首都圏からアクセスが良いスキー場のリフト券や用具のレンタルがセットになった旅行商品が増えています。例えば越後湯沢や軽井沢などです。いずれも都心部から近いので容易に日帰りできます。一日をスキーに、別の日を買物や観光にあてるツアーも組むことができるのです。

他にも群馬県のみなかみ町にある「ノルン水上スキー場」では、2014年からスキー以外の雪遊びやそり滑りを楽しめる「スノーランド」を設けています。24時まで営業しており温泉も近くに点在していることから、スキーが苦手な訪日外国人からも好評です。

こうしたスキーで呼び込むインバウンドの先駆けとなった自治体が北海道のニセコ町です。以前からスキー場で知られていましたが、札幌や新千歳空港から3時間以上も離れているため、ブームが去った後はすっかり寂れてしまいました。

ところが1995年にオーストラリアのスキーインストラクターが定住したことで状況は一変します。良質のパウダースノーに恵まれ、オーストラリアのオフシーズンにスキーが楽しむことができる点を英語でアピールしたところ海外からの観光客が大幅に増加したのです。現在では定住する外国人も多くなり、人口も5,000人台に回復しています。

ニセコは訪日外国人を受け入れるためのインバウンド対策にも積極的です。このように外国人の目線でアピールして、誰でも受け入れようとする懐の深さは見習いたいところです。

日本のスキー場が人気の理由

日本のスキー場は雪質の良さに定評があります。サラサラしたパウダースノーはスキーやスノーボードに最適です。水分が少ないために浮遊感があり、難易度が高いコースでも楽に滑れるようになります。

国によってはスキーができるほど多量の雪が珍しく、スキーを滑るためではなく雪を楽しむためにわざわざスキー場へ足を延ばす訪日外国人がいるほどです。例えば赤道に近いシンガポールやマレーシア、タイなどです。

また日本のスキーシーズンには、ちょうど「旧正月」が含まれます。2018年なら2月16日です。中国や台湾、香港、韓国などではまとまった休みが取れるので、雪目的での訪日が増えます。最近では「ムスリム」に特化して礼拝所を設けたり、専用の食事(ハラール)を提供したりするスキー場も登場しました。今後もスキー人気に期待できるでしょう。

インバウンド効果で利用数の落ちたスキーリゾートを活性化

日本のスキー場は1990年代初めのブームとその後のスノーボード需要によって、その数を増やしました。けれども近年はスノーボード人口でさえ減少傾向にあり、経営に行き詰るところが増えています。インバウンド効果は利用数が落ちたスキー場や回辺のリゾートを活性化するカンフル剤になるかもしれません。2018年の平昌オリンピック開催も後押しするでしょう。

ただし、ムスリムに特化したスキー場が訪日外国人の客数を増やしたように、活性化するには外国人の目線に立ったインバウンド対策が欠かせません。多言語に対応するのはもちろん、ネイティブに指導できるガイドやインストラクターも必要です。

また日本は世界有数のスキー天国で、スキー場の数はアメリカを上回って1位です。だからこそあえて訪れるべき魅力も欲しいところです。例えば温泉を併設したり、インバウンドに積極的なコンビニを近隣に誘致したりするなど施設の充実が急がれます。

まとめ

何気なく積もる日本の雪は訪日外国人にとって魅力のひとつであり、インバウンド向けの観光資源にもなります。特にスキー場は活性化のチャンスです。外国人向けのアピールや受け入れ態勢の整備、他のスキー場との差別化などするべきことはたくさんあります。

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