日本政府観光局(JNTO)の調査によると、1年で最も訪日外国人が多かったのは3年連続(2015~2017)で「7月」です。なぜ7月なのか、インバウンド需要が高まる要素や取り組みについて紹介します。
インバウンドは夏に何しにやってくるの?目的を紹介
7月といえば、欧米ではサマーバケーションの真っ最中であり、中国では夏休みなのに祝日がなくイベントに乏しい月です。一方、日本では各地で大規模な祭りが開催されます。
日本の伝統と文化を一度に体感できて、浴衣を着たり縁日を楽しめたりする祭りは、インバウンド向けのイベントといえるでしょう。
特に京都の祇園祭や大阪の天神祭は、開催期間がほぼ1ヶ月です。博多の祇園山笠も半月ありますから、訪日外国人は比較的自由にスケジュールを組めます。
祭りといえば「花火」も訪日外国人にとって楽しみの1つです。東京の隅田川花火大会や諏訪湖の花火大会など、7月は全国各地で花火大会が開催されます。
会場全体で盛り上がれる音楽イベントも7月から増え始めます。苗場スキー場の「FUJI ROCK FESTIVAL」や札幌の「SAPPORO CITY JAZZ」などです。芸術関連では3年おきに開催される香川県の「瀬戸内国際芸術祭」(次回は2019年)が高い関心を持たれています。
祭り以外では自然を相手にするアクティビティも人気です。例えば北海道のニセコ町はスキーを目的とした訪日外国人の多さで知られていますが、近年では夏のインバウンド対策にも力を入れています。
例えば尻別川でのラフティングや高原でのジップラインなどです。以前から受け入れ態勢は整っているので、訪日外国人は安心して長期間滞在できます。
買い物目当ての訪日外国人もいます。ちょうど7月は夏のクリアランスセールの時期です。オープンしたばかりの商業施設に対する興味もあり、福岡県は2016年4月にオープンした「KITTE博多」の影響で宿泊の予約率が3倍になりました。
インバウンド対策次第では、他の商業施設も7月のセールで訪日外国人を呼び込めるチャンスがあるでしょう。
夏のインバウンドが増えた理由とは?
2014年以前も訪日外国人の数で7月が1位になる年はあったものの、2月や10月に明け渡す年があるなど、その人気は安定していませんでした。ここ3年続けて1位を取れるようになったのは、いくつかの理由が考えられます。
まずはSNSを通して夏限定の観光スポットが訪日外国人に認知されたからです。特に北海道の洞爺湖は、以前から「日本百景」に選ばれるほどの名所ですが、2008年の「北海道洞爺湖サミット」で世界からも注目されるようになりました。
ちょうどニセコ町が近いこともあり、訪日外国人が洞爺湖の幻想的な風景を写真に撮りSNSで公開したところ、反響を呼んで一躍人気スポットになったのです。洞爺湖温泉観光協会ではインスタグラムでキャンペーンを展開しており、ハッシュタグをつけて洞爺湖の風景や食事を投稿するよう促しています。
次にLCCの利便性が高まったことです。近年、発着枠の拡大やターミナルの供用開始などで日本に乗り入れるLCCが増え、便数も2012年の約4倍、乗客数は5倍以上になりました。LCCは安さが魅力ですから、費用面でインバウンドの増加に貢献したといえます。
中国や東南アジアでビザの発行要件が緩和されたのも見逃せません。これにより訪日できる外国人の層が拡大しました。ビザの緩和については以下のリンクでも詳しく説明されています。
まとめ
7月は海外のサマーバケーションと、日本の有名な祭りや一大イベントの開催が重なるので、訪日外国人の数が1年で最も多くなります。LCCの増加やビザの緩和も大きく影響しているでしょう。見方を変えれば、この時期にインバウンド需要を取り込める可能性が最も高まります。
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