昨年は流行語大賞に「爆買い」が決定し、2020年には東京オリンピック、パラリンピックが決まるなど今後更なる観光客が見込める日本です。
しかしまだまだ流通・小売・観光業界にとってのインバウンドビジネスは手探りという状態でした。
今回は様々な形でインバウンドビジネスに挑戦した企業・団体を紹介していきます。
Contents
1 インバウンドビジネスのパイオニア
『ドン・キホーテ』
今でこそ「インバウンド」という名前は世間に浸透していますがドン・キホーテがインバウンドビジネスを始めたのはなんと2007年!
当時はインバウンドという名前すら周りが知らない状態での市場調査なのでネットはおろか日本では大した情報が得られないので、わざわざ中国にまでインバウンド市場を調査に行ったそうです。
そして全店の他言語店内放送・他言語POP、MAPの導入に加え、免税での売上が即座にわかるポイントカードを発行し、どこの国のどこの都市の人が何を買ったかというマーケティングデータを集め、そのデータを元にインバウンド市場を迅速に対応したそうです。
その時のアドバンテージが現在のインバウンド業界での圧倒的な集客率と売上につながっているのですね。
まさにインバウンドビジネスのパイオニアと言える企業ですね。
2 WIFIを1000箇所に設置!?
『山梨県』
山梨県は、富士山界隈の豊かな自然、ワイン・果物など、多彩な特産物に囲まれています。
観光地としても魅力的な山梨県ですが過去、外国人観光客が山梨県を周遊観光するということは少なく、富士山観光を目的とした外国人観光客は富士山のみをピンポイントで観光し東京からの単純往復をする外国人観光客が多数いたそうです。
そこで山梨県は圏内にWIFIを1000箇所設置するとWIFIスポットを中継地点として県全体を周遊してくれるのではないかと考えました。
そして始まったのが「やまなしFree Wi-Fiプロジェクト」です。
簡単に説明するとキャリアフリーの無料Wi-Fiスポットを初年度に500カ所、翌年度には1,000カ所設置するという目標を決め、NTT東日本の協力を得て、「光ステーション」を2週間無料で利用できる「Wi-Fiカード」を作成し、地域情報ポータルサービスでのwifi設置場所に合わせた情報コンテンツの充実化を行いました。
導入が進んだ結果、外国人による口コミ数が増えたそうです。
wifiの導入には設置及び運用の負担を誰が行うかという問題があります。
山梨県の場合はやまなし観光推進機構とNTT東日本などが地域住民に地道な説得を行い商業施設や観光施設が自己負担で賄うという形で落ち着いたみたいです。
2 Snow MonkeyがSNSで拡散!?
『清風荘』
日本人のほとんどの人が聞いたことが無いであろう長野県湯田中温泉にある旅館「清風荘」
実はインバウンド集客で大成功を収めている宿泊施設です。
外国人が多く利用する宿泊サイト「トリップアドバイザー」の旅館民宿部門で全国4位を獲得したことも。
外国人に「YUDANAKA SPA」が広まった理由、それは・・・お猿さんです。
地獄谷野猿公苑の猿が雪の露天風呂につかっている写真を公苑の職員が外国の雑誌に投稿したのがきっかけで、訪れた外国人が次々とお猿さんをSNSでシェア
たった一枚の写真がSNSによって、外国人が殺到する人気旅館になりました。
急に増える外国人観光客に地元の温泉街は戸惑ったそうですが、その理由を知り、年々減り続ける日本人観光客やスキー客に代わる救世主として「Snow Monkey」に注目しました。
清風荘を営むご主人は、外国人旅行客専門の旅行業者の方々と相談しながらノウハウを蓄積し、外国人相手ならではのinstagram、Facebook運営などを研究、湯田中温泉でインバウンド集客に取り組みたいという宿仲間や商工会と一緒になってインバウンドについて学んだりと数々の努力を地域ぐるみでされてきました。その努力を長野県も後押し。その結果、飲食店も増え、スキーシーズンが終わっても活気のある街になっているそうです。
SNSの拡散力がわかる好事例ですね。