訪日外国人専用乗り場を設置してタクシー利用促進
国土交通省近畿運輸局京都運輸支局と京都市産業観光局観光MICE推進室は1日、2016年3月1日より実施していた実証実験「京都フォーリンフレンドリータクシー(FFタクシー)」のアンケート結果を公表しました。
この実証実験は、訪日外国人旅行者の増加に対応するため、京都駅に訪日外国人専用のタクシー乗り場を設置したという実験です。もちろん、外国語でコミュニケーションができると認定された乗務員が、海外クレジットカードが利用できる機器などを搭載した車両を使用し運行されています。
2016年3月1日より第1期実証実験が始まり、現在は2016年4月1日よりスタートした第2期が2017年3月31日まで継続中です。今回は第1期の期間中、3月1日~23日の間にこのFFタクシーを利用した訪日外国人旅行者と、サービスを提供したタクシー乗務員の両方に実施したアンケートの結果を集計し、公表しました。
最もFFタクシーを利用したのは訪日米国人
まず、利用者である訪日外国人旅行者においては、有効回答数474件のうち97.7%が「快適であった」と回答し、非常に好評だったことが判明しました。乗務員側も有効回答数62件のうち89.3%が「今後も専用乗り場で営業を続けたい」と回答し、こちらも好評だったことがうかがえます
利用客の居住地・国については、米国が最も多く16.2%、次いで中国の9.1%、台湾の6.8%と続いています。日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2016年3月の訪日外国人のうち67.8%が中国・韓国・台湾・香港という東アジアからの訪日客が占めていますが、タクシー利用が最も多かったのは米国からの訪日客でした。
さらに、上位10ヵ国でみると、米国の他にもオーストラリアや英国、カナダがランクインしており、利用客のうち約3割にあたる29.3%を欧米からの訪日客が占めていたことが判明しました。他にも、家族や友人同士といった数人単位でタクシーを利用し、2台に分乗する必要があった訪日客がかなりの割合で存在していることなどもわかりました。
これらの点から2台で乗る必要のあった利用客が1台のタクシーで済む様に、ワンボックスタイプのいわゆるジャンボタクシーをさらに導入すべきなどの課題が見つかったとしています。
まとめ
考察として、アジアのタクシーは欧米と比べると価格が非常に安く、欧米価格の日本のタクシーを利用するアジア人はコストパフォーマンスが悪いと考え、日本での外国人タクシー利用者が伸びづらい原因と考えられます。
こちらの画像はトリップアドバイザーが公開した世界のタクシーが1000円で行ける距離をまとめた画像です。欧米のタクシー料金は高く、日本を除いたほとんどのアジア圏では日本では考えられないほどタクシーの値段が安いことがわかります。日本に来る外国人観光客の約7割はタクシー料金の安いアジア圏からです。日本で訪日外国人を受け入れる体制としてタクシー料金の見直しも視野に入れていく必要があるのかもしれません。