「Pokémon GO(ポケモンGO) 」が変えるインバウンド（訪日外国人観光客）の未来

スマートフォン向けゲーム「Pokémon GO」（ポケモンGO）」が、世界各国で爆発的にヒットしています。App Storeの無料＆トップセールスランキングでは、配信している34カ国全てで首位を獲得。米国では社会現象にもなっており、初登場の7月7日から21日現在まで1位を走り続けています。

日本での配信時期は未定ですが、20日には日本マクドナルドが同アプリと店舗の連携を発表し、任天堂を始めとする株価もぐんぐん上昇する事態は「ポケモノミクス」と呼ばれるなど、期待が過熱状態にあります。

(7/22より日本でもポケモンGOが配信開始されました。本記事は7/21に作成しています。)

世界で大ヒットしている「ポケモンGO」。App Annieのランキングを見ると、「ポケモンGO」のアイコンが1位にずらりと並ぶ

ポケモンGOとは？

Contents

1 ポケモンGOとは？
2 ■レアポケモンにユーザー殺到、ロシアの「クレムリン」ポケモンGOユーザー立ち入りを注意
3 ■ポケモンGOを使ったインバウンド集客の可能性
4 ■ホテルの予約が一週間で従来の4倍！？
5 ■まとめ

ポケモンGOは“位置情報を利用して現実世界でポケモンを捕まえられる”ということをコンセプトにしたスマホアプリです。

簡単に説明すると、ゲームやアニメでお馴染みの“ポケモンマスターの旅”を現実でやってみようというもの。プレイヤーはポケモンの出現スポットとして登録された現実世界の史跡や建物を訪れ、スマートフォン上でポケモンを捕まえていきます。スマートフォンはあくまでナビのようなもので、ポケモンを捕まえるなら足を使って現地まで向かい、プレイヤー自身の行動力が重要となってくるゲームです。日本ではまだリリースされていませんが、他国の盛り上がりを見ても、ポケモン発祥の日本では今までにないような社会現象になるのではないかと言われています。

■レアポケモンにユーザー殺到、ロシアの「クレムリン」ポケモンGOユーザー立ち入りを注意

ロシアでも、ポケモンGOのリリースは来週以降になる予定です。しかしすでに多くのユーザーが非公式にゲームをダウンロードしており、実際にポケモンの目撃情報もあることから、ロシア政府は予防的先制攻撃にでました。ロシア政府がポケモンを探すユーザーがプーチン大統領の官邸近くなどに立ち入らないよう警告を発しました。

発売前とはいえロシアではポケモンの話題で大きく盛り上がっています。ネット上では今週のモスクワの雷雨もゲームのせいにされており、ポケモンのゲームやアニメの主要キャラクターのピカチュウが、電気ショック攻撃を繰り出すポケモンということで、ソーシャル上では多くのロシアユーザーが「ピカチュウが雷雨を起こした」と言い出し、ロシアのツイッター上ではピカチュウがトップの話題になっています。

1400年代以降、歴代皇帝やソビエト連邦の指導者の公邸として使われてきたロシアのクレムリンですが、現在でもロシア大統領府として使われている宮殿の他、歴史的建造物の大聖堂、皇帝や政治的な遺産を展示して一般公開されているクレムリン博物館など様々な重要施設があります。

すでにクレムリン周辺でもポケモンは捕獲されており、ニュースサイト「ライフ」の記事によるとクレムリン外壁の近くを飛ぶ翼竜のような珍しいポケモン「プテラ」など、赤の広場で３匹のポケモンを記者が捕まえており、重要施設周辺へのポケモンユーザー立ち入りを危惧した政府はクレムリン周辺へ立ち入らないよう警告を発しました。

■ポケモンGOを使ったインバウンド集客の可能性

ポケモンGOは位置情報を利用する為、特定の土地やエリアでしか出現しないポケモンを実装することで、地方活性化や海外からのインバウンド集客に利用することも可能でしょう。
実際にこれまでも意外なところでモンスターが出現し、話題になってきました。例えば首都ワシントンD.C.にあるホロコースト記念館、バージニア州にあるアーリントン国立墓地、ニューヨークにある9/11メモリアル・ミュージアム……。

そこに仲間入りしそうなのが韓国の束草市です。韓国ではまだサービスが開始されていないにも関わらず、束草では唯一、ポケモンGOのアプリが起動するエリアです。報道によると、韓国当局はその原因についてゲームのシステムが誤って束草を北米エリアに分類した為だと説明しています。